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横浜市イノベーション人材交流事業 副業・兼業人材活用事例④株式会社GLiN

横浜市イノベーション人材交流事業 副業・兼業人材活用事例④株式会社GLiN

横浜市と横浜未来機構は、市内のスタートアップや中小企業が、副業・兼業人材を活用して経営課題を解決することを支援しています。経営課題解決のために市内企業が、さまざまな情報・スキル・経験等を持った副業・兼業人材を活用した事例を紹介します。

株式会社GLiN

採用された人材
・プロダクトマネージャー/元エンジニア 1名
・営業スペシャリスト 1名
・マーケティングスペシャリスト 1名

博士課程留学生を日本企業に繋ぐというユニークな事業に挑む株式会社GLiN。ビジネスモデルを組み上げ、いよいよ開発・実証実験フェーズに入るというタイミングで本事業を活用いただきました。副業人材の活用は始まったばかりで成果はこれからとのことですが、ここまでのプロセスと気付きを代表取締役の占部様に伺いました。

株式会社GLiN 

代表取締役 占部智久様

-御社が抱えられていた課題と本事業活用に至った経緯を教えてください

新事業の仮説が構築でき、仮説の検証に向けて①プロダクトの構築、②検証先の開拓、導入先の開拓という3つが必要な時期でした。私自身はエンジニアではないのでシステム構築の知見が無く、又、マーケティングも自分一人ではできないと思っていたところに、この事業を紹介いただき、応募しました。

実は、前にも副業人材を採用したことがあったのですが、うまく機能しませんでした。今回、募集に先立って副業活用に関するセミナーに参加して、「経営者と副業者の相性が良いこと」、「経営者のビジョンが明確になっていること」その上で「スキルと経験が想定する業務領域にマッチしていること」の3つがクリアされていないとうまくいかないことを学び、再度副業人材活用にチャレンジしてみようと思いました。

-選考過程で戸惑われたこと、工夫されたことを教えてください

書類選考と面接2回で選考を行いました。面接の際に、最初のうちは、相性を見ることと、スキル・経験を確認することが混在してしまい、選考基準がはっきりしないことで応募者から不信感を持たれてしまうことがありました。その反省を生かし、1回目の面接は「相性」、2回目の面接は「スキル・経験」と内容を明確にして応募者に伝えることで、しっかり見極められるようになりました。

採用する側は立場が強く一方的になりがちですが、応募者側の立場に立って応対することが大切だと気付きました。

-採用されたのはどのようなプロフィールの方でしょうか

Aさんは元エンジニアなのですが、MBAホルダーであって、スタートアップの執行役員もされている方です。ご自身も海外で学ばれた経験があり、海外で学んだ人材や留学生が日本で十分に力を発揮して活躍できていないという問題意識をお持ちで、当社のビジョンに賛同いただけたことと、丁度関わっている他社の仕事が一段落したタイミングだったことで応募いただきました。私自身がエンジニアの知見を持っていないため、プロダクトを作る上でエンジニアとの橋渡しをしてくれて、全体のマネジメントをしてくれることを期待して採用を決めました。

Bさんは、元大手人材サービス会社の営業部長であった方です。家業を手伝うことになり、本業とは別に自分の強みが行かせる人材サービス領域で副業を経験しておきたいということでご応募いただきました。営業力と今まで培ってこられた人脈から、導入先を開拓いただけると見込んで採用しました。

Cさんは大手企業数社でマーケティングを担当されてきた方です。行政書士の資格をお持ちで、今までも海外の方が日本で働くサポートをされていたことから、当社の事業に興味を持っていただき応募いただきました。マーケティング経験の豊富さから採用させていただきました。

みなさん、相当なキャリアの方々ですが採用できた要因として、当社が博士留学生の人材サービスを立ち上げようとしているという特異性に共感いただけたことが大きかったと思います。

-採用されてまだ3ヶ月弱というところですが、現時点での状況をお聞かせください

ちょうど同じタイミングで横浜市のスタートアップ支援事業に採択されたことで、プロダクトの開発をスピードアップせざるを得ない状況になりましたが、現在なんとかスケジュール通りに開発できています。副業の皆さんがいなければ大変な状態になっていたと思います。

みなさん私が話したことの10倍動いていただいている感じで、専門スキルにプラスして組織や事業のマネジメント経験を持たれていることがとても重要だと思いました。

-採用された方々と今後どのようなことに取り組んでいかれる予定でしょうか

当社は仮説検証を終えて、プロダクト開発を進めながら同時に事業としての収益を生み出していくフェーズに入っていくことを目指しています。当然副業の方にお願いする仕事の領域も変わってきますので、次のフェーズをどのような体制で進めるか、まさに検討しているところです。プロダクトの磨き込みという面では今回採用させていただいた方々にまだまだお願いしたいことがあるので、人的なコストも横目で見ながら体制を決めたいと思います。

-ここまでのご経験を通しての気付きや、副業人材活用に関するお考えをお聞かせください

気付きとしては、経営者が自分のやりたいことやプロダクトについて、しっかり言語化することの必要性を痛感しました。いままでは背景がわかっている内輪のメンバーだけだったためになんとかなっていたのですが、副業の方に対してはそれでは伝わらないので、かなり意識してやっています。

企画やマーケティングのようなスキルが明確化しにくい領域の副業は、エンジニアと違って今まで進んでいなかったと思いますが、大きな波が来ていると感じました。求人に対して求職者が圧倒的に多く、優秀な人材の採用ができるので、トライしてみてよい時期だと思います。

副業人材採用を成功させる上で、経営者のビジョンや事業の有用性が明確になっていて、そこに共感する方に応募いただくことがとても大切だと思います。

副業・兼業人材活用事業の詳細についてはこちら

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