YOXO FESTIVAL 2024では多くの企業・大学が実証実験やデモを行い、出展者同士の業種・業態を超えたコラボレーションのきっかけの構築、また市民との交流、まちぐるみでのイノベーション創出に取り組みました。
横浜未来機構会員で出展したヤマハ株式会社にお話をお聞きしました。
※「YOXO FESTIVAL(よくぞフェスティバル)~横浜でみらい体験~」…イノベーターやクリエーターが「未来」に向けた新しいアイデアや技術を持ち寄り領域を越えて交流することでひらめきを得たり、ワクワクを体験できるお祭りです。
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お客様の生声が聞ける実証実験の場
―――今回出展した目的、出展の内容を教えてください。
研究開発で生まれた技術をどのように顧客価値へ落とし込むか探ることを目的とした実証実験として、当社独自技術の自動伴奏追従機能と演奏再現技術を掛け合わせた「JAZZ EXPERIENCE」を出展しました。
体験者が電子ドラムのライドシンバルを叩くとそのテンポに合わせ、ピアノやコントラバスなどの楽器が自動で追従して、ジャズ演奏が始まり、だれでもジャズの世界を体験できるというものです。
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YOXO FESTIVALには昨年から参加し、プロトタイプに対してお客様に意見を聞ける貴重な実証実験の場だと分かっていたので、今年は約半年前から準備しました。技術選定から仮説設定、プロトタイプ製作、ブース設計とYOXO FESTIVALを目掛け準備することで効率的に実証実験が行えました。当日は開発に携わった技術者が中心となりお客様対応をしました。
改善点と新たな気づき
―――当日の来場者の反応はいかがでしたか?
2日間とも待機列が途絶えることなく、「だれでも」演奏を楽しめるというコンセプト通り、子どもから大人まで、たくさんの方に楽しんでいただけました。
お客様からの意見はただプロダクトに対してアンケートを取るのではなく、YOXO FESTIVALならではの「街中でお客様が実際に体験する姿」を、技術者がその場で見て、直接感想を聞き、感じることを大切にしました。そうすることで技術面での改善点だけでなく、色々な気づきを得ることができました。
またターゲットを「だれでも」とした時「子ども」や「楽器がまったくできない方」を設定しましたが、経験者や少しだけ演奏できる方にとっては物足りない仕様になり、本当の意味で「だれでも」演奏を楽しめる形とは違うなど、サービス面での課題も発見することができました。
実証実験と社員育成
―――今後(次回)に向けて取り組む予定はありますか?
今回出展した技術・プロダクトは、YOXO FESTIVALをきっかけに一つの形にできたので、今後はより色々な方に体験いただき、改善しサービス化を目指していきたいと考えています。
YOXO FESTIVALには2年連続で出展したことで、自社内での実証実験のやり方やノウハウを蓄積することができました。普段お客様に関わることが少ない技術者・研究者が直接お客様に関わることができたり、部門を跨いでプロジェクトを進める機会だったりと、社員にとっても貴重な場だと考えているので、次回の出展も検討していきたいです。