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第1回経営層ミーティングを開催しました

第1回経営層ミーティングを開催しました

2月26日(月)横浜みなとみらい21ゲストルームにて「横浜未来機構第1回経営層ミーティング」を開催しました。
このミーティングは、横浜未来機構の会員である大手企業の経営層の交流促進とイノベーション創出に関する意見・アイデア交換を目的とした取り組みです。

第1回は、横浜未来機構理事の中から、横浜市内にR&D拠点を構えている、横浜未来機構 副会長 AGC株式会社 井上常務、横浜未来機構 理事 JFEエンジニアリング株式会社 馬場常務、同じく横浜未来機構 理事 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 藤巻常務をお迎えして、大企業におけるイノベーション創出の為に必要な事、自社での取組、経営層としてこれから実践すべき課題、横浜未来機構に期待する役割などをテーマに和やかな雰囲気の中、熱く語って頂きました。

トップバッターとして馬場常務から、JFEエンジニアリング株式会社の社内でイノベーションを促す取組についてお話しいただきました。

「JFEエンジニアリング株式会社では、社内ベンチャー制度「FUN∞」があり、社員が事業アイデアを提案できる。テーマは生活密着型のアイデア、ロボティクスやICT、カーボンニュートラルなどなど様々。採択された応募者は専門部門と社外コンサルタントから伴走支援を得て事業化を検討する。今年は過去最多の20件の応募があり好評。この制度自身は始まって間もないこともあり、具体的な事業化はまだで、検討フェーズにある。尚、事業に隣接した状況のほうが実現性は高く、アイデアが具体化した例もある。例えば、廃プラスチックを助燃材に使うアイデアは事業に隣接した領域から生まれている。
また4~5年ぐらい前から社長が風土改革に目をつけ様々な取組を始めた。その一つが「失敗ポータル」。役員は必ず自身の失敗を社内のイントラネット上で披露しなければならなくて多くの社員が閲覧している。
その他に、さん付け活動、セルフビズ(服装は個人の自由)、などお客様対応時などのTPOは考えつつもフランクで風通しの良い社風にするための取組を行っている。」

馬場常務のお話しを受けて、藤巻常務からも、自社の取組や課題についてご紹介いただきました。

「富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、過去バーチャルハリウッドというビジネスアイデア提案の制度があり15年ほど続いたが現在は社内の方針変更で終了している。これまでビジネスアイデア提案から会社設立まで至った例は2~3ある。
既存技術を応用して、環境対応の研究を行っている。 またヨクトレースという物体トレーサビリティ技術を開発したが、どのように社会貢献するか、横浜国立大学や横浜未来機構に間に入ってもらい、色々な会社から活用のアイデアを出してもらおうとしている。技術はあるので、それを活かすべきパートナーを探す事が課題。富士ゼロックスから富士フイルムになって自社技術を重視するようになり、新しいことを行う為にM&Aを積極的に行っている。」

AGC井上常務からは以下のようなお話がありました。

「AGC株式会社では、イノベーション創出と新規事業開拓を進める「探索(戦略)」と既存技術を発展させる「深化(コア)」という2軸で事業展開を行っている。既存技術、製品の深化は得意だが、探索はチャレンジング。現在は主にライフサイエンス、エレクトロニクス、新しいモビリティ、環境・エネルギー、等の分野で探索を行っている。
研究員には勤務時間の10%のフリー枠を認めて、それを活用して新しい分野の探索をしてもらい、出てきたアイデアを仮設指向計画法で審査している。
これまでは社内で研究開発をクローズで行ってきたが、これからはオープンイノベーションが必要であると現CEOはじめ多くが以前より考えていた。 また社内には様々な研究分野があり、それぞれの施設が点々として技術の融合と活用がしにくかったことから、10年程の年月と投資をし、これらの研究分野をAGC横浜テクニカルセンター一か所に集約した。 AGCの社風として、チャレンジ精神旺盛な社員が多く、会社もそれを後押しする風通しの良い風土である。ただ事業化が失敗に終わる事も多い。これらを回避する為にも横浜未来機構を通じて各社との連携を進めていきたい。」

今後の横浜未来機構における活動について以下のようなお話がありました。

「スタートアップ企業会員等は盛り上がっているが、大手企業会員の盛り上がりが今一に感じる。レイヤーとして大手企業の部を作って、大手企業会員同士で活動しながら、スタートアップ企業会員とどのように交流していくかを課題に議論していきたい。イノベーションに興味がある各大手企業の施設見学会兼懇親会を行うのはどうだろうか?各施設を見学すると他社から施設活用のアイデアをもらえる事があり、説明する側もモチベーションが上がるのではないか。またそれぞれの自社製品の情報をこうした見学会で知る事も出来る。アカデミアの先生方の研究成果も織り交ぜて頂くとよりオープンイノベーションが進むだろう。対象者も経営層から始め、研究者層、若手層、中堅層と増やしていけるといいのではないか。
横浜未来機構への課題として、横浜は大企業のR&Dが集中している為、人材をもっと集めて交流できる場を増やして欲しい。」

次回の経営層ミーティングは、企業施設見学会も兼ねた形を企画していきます。
次回以降もミーティングの様子をレポートしていきますのでお楽しみに。

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