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第1回学生向けスマートシティワークショップ開催レポート ~「地銀とスマートシティの関係検討」を開催しました!~

第1回学生向けスマートシティワークショップ開催レポート ~「地銀とスマートシティの関係検討」を開催しました!~

横浜市内の大学生を対象とした学生向けワークショップ「これからの『スマートシティ横浜』とは!?」。今年度も企業の協力のもと、スマートシティに対する理解を深め、横浜の未来を考える貴重な機会として開催しています。

11月12日(水)、第1回目のワークショップが一般社団法人横浜みなとみらい21プレゼンテーションルームで開催されました。今回のテーマは「地銀とスマートシティの関係検討」。株式会社横浜銀行地域戦略統括部の柳澤様をゲストスピーカーにお迎えし、本プログラムを企画運営する有限会社ビズテックの佐藤様のファシリテーションのもと、充実した時間となりました。

本プログラムのねらい

ワークショップの冒頭では、ファシリテーターの佐藤氏から本プログラムの趣旨説明がありました。

「スマートシティ」と聞くと、IT、AI、インフラといった技術的な側面がイメージされがちです。しかし今回のプログラムでは、より広い視点でスマートシティを捉えることを目指しています。

国内ではICTや技術に焦点が当たりやすい一方で、ヨーロッパでは「対応力のある都市行政」「より安全な公共スペース」「高齢化社会のニーズ」など、人々の生活に密着した視点でスマートシティが語られています。世界銀行のブログで集められたキーワードには、「サステナビリティ」「イノベーション」だけでなく、「エコシステム」「ピープル」「コミュニティ」「ライブアビリティ(暮らしやすさ)」といった言葉が並びます。

本プログラムの特徴は、この「人の生活」を中心に据えながら、それを実現する「企業の力」に注目する点です。370万人都市・横浜には多種多様な企業が集積しています。地方銀行、鉄道会社、プラントエンジニアリング、国際物流——こうした企業の活動を通じて、スマートシティの実現に必要なピースを学生自身が発見していく。それがこのワークショップのねらいです。

プログラム企画を担当する佐藤氏からのプログラムの趣旨説明

横浜銀行の街づくりへの取り組み

今回のゲストである柳澤氏は、2020年に横浜市内の大学を卒業後、横浜銀行に入行。秦野支店での法人営業を経て、一般社団法人横浜みなとみらい21への出向を経験されました。

「名古屋から横浜に来て、4年間お世話になった横浜に恩返しがしたい」——そんな思いで横浜銀行を選んだという柳澤氏。出向先では、みなとみらい地区の街づくりや、企業間マッチングによるイノベーション創出に携わってこられました。

具体的な取り組み事例

柳澤氏からは、銀行の枠を超えた多彩なプロジェクト事例が紹介されました。

ポケモンワールドチャンピオンシップスでは、パシフィコ横浜での大会開催に合わせて、街全体をポケモン一色に染めるプロジェクトに参画。単なる金融機関の役割を超えて、街全体のプロデュースに関わった事例です。

自動運転EVバスの実証実験では、マクニカ社と連携し、単なる自動運転技術の実験にとどまらず、車内に360度立体音響を搭載してエンターテイメントコンテンツを組み込むという斬新な試みを実現。警察や横浜市との調整役を担いました。

YOXO FESTIVALは、一見イベントに見えますが、実はさまざまな企業が開発中の製品やサービスを街中で実証実験できる場として機能しています。通常は規制が厳しい公道での実験も、イベントという形式であれば許可が下りやすい——そんな仕組みを活用し、横浜を「実証実験が活発にできる街」へと変えていく取り組みです。

そして柳澤氏が出向の集大成として関わったのが、TECH HUB YOKOHAMA。カフェと企業間ネットワーキングスペースを備えたこの施設は、横浜と海外をつなぐ玄関口として、イノベーションの拠点となることを目指しています。

銀行が出向者を送り出す理由

参加学生からの質問で、「なぜ銀行が社員をこうした街づくり団体に出向させるのか?」という問いがありました。

柳澤氏は「多種多様な人材を育てたい」という銀行の方針を挙げました。銀行の中にいるだけでは出会えない人々、価値観、情報——それらに触れた若手社員が銀行に戻ることで、組織全体に新しい風が吹き込まれる。100年以上続く組織だからこそ、外部との接点を持ち続けることが重要だと語られました。

金融機関は単にお金を扱うだけでなく、地域経済の活性化、企業間連携の促進、新しいビジネスの創出支援など、地域の未来を創る「触媒」としての役割を担っています。今回のセッションを通じて、学生たちは地方銀行がスマートシティ実現において果たす多面的な役割を実感したようでした。

(株)横浜銀行地域戦略統括部の柳澤氏による説明

参加学生の声

今回は経済学部、都市科学部、理工学部に所属する学生が参加。異なる専門分野を持つメンバーが集まったことで、議論にも多様な視点が持ち込まれました。

ワークショップ後半では、学生同士のディスカッションも行われ、スマートシティを技術だけでなく、金融、地域コミュニティ、企業活動といった多角的な視点で捉え直す時間となりました。

本ワークショップは全6回にわたって開催されます。次回は11月19日(水)に「”鉄道を超えた” 電鉄企業の活動を探る」をテーマに、株式会社相鉄アーバンクリエイツと東急株式会社の方々をお迎えします。

今後もワークショップの様子をレポートしていきますので、ぜひご注目ください!

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