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横浜生まれの乳酸菌入り!地元名物アイデアワークショップ開催レポート(第2回) ~学生のアイデアが具体的な商品企画に~

横浜生まれの乳酸菌入り!地元名物アイデアワークショップ開催レポート(第2回) ~学生のアイデアが具体的な商品企画に~

2025年12月9日(火)、神奈川大学みなとみらいキャンパスのオープンイノベーションスペースにて、「横浜生まれの乳酸菌入り!地元名物アイデアワークショップ」の第2回が開催されました。

11月27日の第1回では、三菱ケミカル株式会社が開発した有胞子性乳酸菌「ラクリス™」の特徴を学び、横浜名物の成功要因を分析しながら、多数の商品アイデアを創出しました。今回はそれらのアイデアを3つに絞り込み、具体的な商品企画として磨き上げ、食品業界のエキスパートからフィードバックをいただく実践的なセッションとなりました。

食品業界や地域づくりのプロフェッショナルが集結

本ワークショップには、横浜未来機構のファシリテーションのもと進行し、学生とともに食品業界や地域づくりの第一線で活躍するゲストの皆様にご参加いただきました。

企業参加ゲスト(企業・団体名50音順)

• 佐藤 哲哉 様 (株式会社ありあけ 執行役員マーケティング部 部長)
• 違 克美 様 (果実クリエイター / コンフィチュリエ)
• 田﨑 達明 様 (関東学院大学 栄養学部管理栄養学科 教授)
• 柏木 由美子 様 (日体大SMG横浜 オフィシャルサポータークラブBLUES事務局)
• 丸山 晃 様 (株式会社ニップン 生産・技術本部 プラント部主席)
• 福光 聡 様 (株式会社ニップン 中央研究所 研究企画センター 研究推進チームマネジャー)
• 宮地 香子 様 (野菜ソムリエコミュニティかながわ)

左から順に違様、佐藤様、田﨑様
左上から時計回りに柏木様、宮地様、丸山様、福光様

横浜を代表する銘菓「ありあけのハーバー」を手掛ける株式会社ありあけ、製粉大手の株式会社ニップン、果実のスペシャリストや野菜ソムリエ、栄養学の専門家など、多彩な専門家が学生たちのアイデアに真剣に向き合いました。

3つの商品企画が誕生

第2回ワークショップのゴールは「企画案レベル」。

魅力、実現性、横浜らしさの3つの観点でアイデアをブラッシュアップし、商品名、コンセプト、ターゲット、ストーリー、ラクリス™の活かし方を明確にすることが求められました。

各グループは前回のアイデアを振り返り、各テーブルに分かれて三菱ケミカル株式会社とマナブデザイン株式会社のスタッフによるサポートを受けながら約1時間かけて企画案を練り上げ、ワークシートにまとめて発表。それぞれ熱のこもったプレゼンテーションが行われました。

各グループに分かれてゲストのサポートを受けながらアイデアをブラッシュアップ

1. ラクリス™×地産果実のタピオカドリンク(中華チーム)

最初に発表したのは「中華チーム」。横浜の名産である浜なしや浜ぶどうを使った乳酸菌入りのタピオカドリンクを提案しました。

コンセプト: 横浜の地産果実とラクリス™を組み合わせた、健康志向の新感覚ドリンク
ターゲット: 横浜観光に訪れる若年層、家族連れ
販売場所: 横浜中華街、イベント会場、キッチンカー
価格帯: 700〜800円(検討中)
特徴: 地産地消とSDGsを意識し、横浜らしさと健康価値を両立

発表後、専門家から多くの建設的なフィードバックがありました。
「浜なしの生産量は限られており、通年での安定供給が課題です」と野菜ソムリエの宮地様。「季節ごとに果実を変えるなど、柔軟な対応が必要かもしれません」

株式会社ありあけの佐藤様からは「横浜中華街は競合が非常に多いエリア。販売場所やタイミングを慎重に検討する必要があります。イベント出展から始めるのも一案です」とアドバイス。
また、「乳酸菌の健康価値をどう分かりやすく伝えるか」「タピオカ以外の形態も検討してはどうか」といった提案もあり、学生たちは真剣にメモを取りながら聞き入っていました。

中華チームによるタピオカドリンクの発表

2. ラクリス™×はちみつ×ゼリー「横浜の景色を閉じ込めたゼリー」(クリーム2チーム)

続いて発表したのは「クリーム2チーム」。横浜の港や赤い靴などをモチーフにした、ビジュアルにこだわったゼリー商品です。

コンセプト: 横浜の景色を「閉じ込めた」デザイン性の高いゼリー
ターゲット: 観光客(駅売店での新幹線持ち込み需要)、地域住民(給食や福祉施設)、GREEN×EXPO2027来場者
価格帯: 大サイズ約1,200円、小サイズ約600円
特徴: 横浜名産の果実ピューレを活用、「隠し味はヘルシー」をキャッチコピーに乳酸菌をアピール
課題: 保存方法、長期保存への対応

野菜ソムリエコミュニティかながわの宮地様は「横浜らしさをどう定義するか、季節限定やコラボレーションの活用も重要です」と指摘。

関東学院大学の田﨑教授からは「給食での提供は、企業協賛や特別な条件下であれば実現可能性があります。ただし、栄養価や安全性の基準をクリアする必要があります」との助言がありました。

株式会社ニップンの福光様からは「ターゲットや販売チャネルを絞り込むことが現実的です。内容量や形状の工夫で製造コストを抑えることも検討してください」と、製造現場の視点からのアドバイスがありました。

クリーム2チームによるゼリーの発表

3. 「あなたもアーティスト」知育菓子(クリーム1チーム)

最後に発表したのは「クリーム1チーム」。横浜の歴史的建造物をクッキーで表現し、乳酸菌入りのクリームで子どもたちが自由にデコレーションできる知育菓子です。

コンセプト: 横浜の建物(赤レンガ倉庫、西洋館など)をクッキーで再現し、地産のフルーツや野菜を使ったクリームでディップして食べる知育菓子
ターゲット: 小学校低学年の子どもと家族
販売シーン: 公園でのピクニック、イベント、将来的に販路拡大
特徴: クッキーに乳酸菌を練り込み、クリームにも旬の果実や野菜を使用。季節ごとに味や色を変える提案も
価値: 横浜を知る、健康に良い、地産地消、旬の野菜・果実の訴求

この提案には、専門家から特に多くのコメントが寄せられました。
株式会社ニップンの丸山様は「横浜の土産市場では『ありあけのハーバー』との競合を意識する必要があります。差別化のために、横浜の歴史的背景やストーリー性をより深く掘り下げることをお勧めします」とエール。
果実クリエイターの違様からは「小松菜パウダーなど野菜パウダーを使えば、クッキー生地やクリームに自然な色付けができます。旬ごとに中身や色・味を変える提案は『粋』ですね」と高評価。
関東学院大学の田﨑教授は「安全性、見た目と味、価格設定のバランスが実現の鍵になります。栄養面でのメリットも明確に打ち出してください」とアドバイスしました。
また、日体大SMG横浜の柏木様からは「地産地消を単なるキーワードで終わらせず、『地元の食材を使わせていただくことでその商品が地域にどう貢献できるか』というロジックを明確にすることが大切です」との指摘もありました。

クリーム1チームによる知育菓子の発表

実務的な視点が学生の視野を広げる

今回のワークショップの特徴は、学生の自由な発想に対して、食品業界のプロフェッショナルが実務的な視点からフィードバックを行ったことです。
原材料の安定調達、季節変動への対応、価格設定、製造オペレーション、競合との差別化、販売チャネルの選定、ストーリーの深掘り、横浜らしさの定義、規格外品のアップサイクル活用、持続可能性——多角的な観点からの助言が飛び交いました。
「キーワードの羅列ではなく、『なぜそれが価値を持つのか』まで考えることが重要」「実現可能性と夢のバランスを取りながら、まずは小さく始めることも戦略」といった、ビジネスの現場ならではのアドバイスに、学生たちは大きく頷きながら熱心に耳を傾けていました。
会場からの声として「地域の課題解決やSDGsの視点を盛り込むことで、商品の社会的価値がより明確になります」との言葉もあり、単なる商品開発を超えた地域貢献の視点も共有されました。

食品業界のプロフェッショナルにフィードバックをいただく貴重な機会ともなりました

次のステップへ——試作品開発とYOXO FESTIVAL 2026出展

ワークショップ終了後、参加者はゲストとも交流し、和やかな雰囲気の中で閉会しました。

今後のスケジュールは以下の通りです:

12月中: 神奈川大学生協の支援のもと、試作品開発を開始
1月中旬: 試食会を実施し、商品をブラッシュアップ
1月31日(土)〜2月1日(日): YOXO FESTIVAL 2026に出展し、一般来場者に試食提供

学生たちのアイデアが実際の試作品となり、多くの人々に届けられる——この実践的なプロセスを通じて、座学では得られないビジネススキルと企画力が育まれていきます。

産学公民連携で創る、横浜の新しい未来

三菱ケミカルが開発した「ラクリス™」という横浜生まれの乳酸菌が、学生たちの柔軟な発想と地域の力によって、どのような商品として形になるのか。YOXO FESTIVAL 2026での発表が今から楽しみです。

横浜未来機構は今後も、産学公民連携を通じてイノベーション創出を促進し、持続可能な希望ある未来の実現を目指してまいります。

主催: 横浜未来機構
共催: 神奈川大学・関東学院大学
協力: 三菱ケミカル株式会社

お問い合わせ: miraikiko@yoxo.jp

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