3月19日(木)、一般社団法人横浜みなとみらい21が主催、横浜未来機構が共催にて「第2回KING AXIS フォーラム 〜横浜・みなとみらい新高島地区キング軸の未来を考える〜」を開催しました。
今回のフォーラムは、来年度からスタートする横浜未来機構の「イノベーションスペースにおける連携プロジェクト」のキックオフイベントという位置付けです。横浜駅東口から新高島地区、臨港パークに至る都市軸「キング軸」周辺には、オフィスやR&D施設、学校、公園、アート施設など多様な知が集積しています。このエリアが持つポテンシャルを最大限に発揮し、新しい交流と共創の芽を生み出すため、「越境」「場」「人材」をキーワードにコミュニティ形成の実践者の方々をお招きしました。
開催場所は、キング軸の真横に位置する横浜シンフォステージ インフォタワー3階にある「chilink WORKSITE MINATOMIRAI」。当日は登壇者や事務局を含め25名が集まり、熱気あふれる対話の場となりました。また、今回もリアルタイムでのグラフィックレコーディングが実施されました。
■ キーノートスピーチ:「イノベーションスペースを活用したコミュニティ形成」
一般社団法人横浜みなとみらい21の古木淳企画調整部長による趣旨説明に続き、キーノートスピーカーとして横浜国立大学大学院 教授の真鍋誠司様にご登壇いただきました。
真鍋教授からは、イノベーション創出における「コミュニティ」と「場(スペース)」の関係性について、理論と実践の両面からお話しいただきました。 イノベーションとは単なる新規性ではなく「社会的・経済的な成果をもたらす革新」であり、成果に結びつかない活動はイノベーションとは言えないという本質的な定義を提示。その上で、外部の知を取り込むインバウンド型や双方向型・共創型といったオープンイノベーションの類型を適切に組み合わせる重要性が示されました。 また、同じ建物内でも階が異なると心理的距離が大きくなるなど、物理的距離がコミュニケーション頻度を左右する「コ・ロケーション(共在)」の重要性と言及。空間を単なる「箱」に留めず機能させるには、エリア全体の「視点(ビジョン)」が必要不可欠であると強調されました。

■ パネルディスカッション:「キング軸におけるイノベーションコミュニティ形成」
続いて、「越境」「場」「人材」をキーワードに、異なる組織や業界をつなぐコミュニティ形成の実践についてパネルディスカッションを行いました。

左から
株式会社ATOMica 事業開発室 室長 白岩 歩 様
株式会社アバン アソシエイツ 計画本部 副本部長 松下 幸司 様
株式会社野村総合研究所 イノベーションデザイングループマネージャー 柳沢 樹里 様
モデレーター:designMeME合同会社 代表 小島 健嗣 様



ディスカッションでは、それぞれの現場における「越境」を促すための具体的な仕掛けや工夫が共有されました。 白岩氏からは、コミュニティマネージャーの存在や「越境ナイト」といったカジュアルなイベントを通じ、肩書きを越えた「個人」としてのつながりを生む泥臭い活動の大切さが語られました。 松下氏からは、横浜ゲートタワーでのまちづくりの事例をもとに、企業間交流やイベントを通じてウェルビーイング向上を図り、将来ビジョンの共有を通じてイノベーションにつなげるプラットフォームのあり方が紹介されました。 柳沢氏からは、オープンイノベーションを推進する上で、組織を越えて価値をつなぐ「ポリネーター(授粉者・媒介者)」となる人材の重要性や、短期的な成果が見えにくい中でいかに価値を可視化していくかという持続性の課題が提示されました。
異なるバックグラウンドを持つ皆様の議論を通じて、個々のイノベーションスペースが物理的に存在するだけでなく、ツアーや飲み会などの「小さく試すこと、そして続けること」の積み重ねが、越境を自然に促進する鍵であるという共通の示唆が得られました。
おわりに
今回のフォーラムを通じて、みなとみらい・キング軸エリアには多彩な主体が近接して存在する大きなポテンシャルがあり、「つながり直すことで新しい価値を生み出せる都市」であるという確信がさらに強まりました。
今後も横浜未来機構は、「イノベーションスペースにおける連携プロジェクト」を通じて、エリア全体のビジョンを共有し、人と人をつなぐ具体的な「場・人・仕掛け」を構築していきます。新高島・キング軸エリアのエコシステム形成と、みなとみらい全体のオープンイノベーション活性化に向けて、積極的に貢献してまいります。

