株式会社エフィシエント 脇坂健一郎氏
株式会社エフィシエント代表取締役の脇坂健一郎(わきさかけんいちろう)さんにお話をお聞きしました。
ビジネスコンテストが転機に
――横浜で起業しようと思ったきっかけは何ですか?
元々30代になったら起業したいという想いがあり、大学で経営を勉強したのですが、学ぶにつれて起業って難しいなと思い断念していました。大きなきっかけとなったのは、横浜ビジネスグランプリ2019(※1)のファイナリストに選ばれたことです。コンテストを通じて起業した方が楽しいんじゃないか、と思ったんです。
地元が横浜だったことや、横浜であればスタートアップ企業への手厚い支援を受けることが出来ると考え、2019年4月に起業しました。当時勤めていた会社の社長から後押しを頂いたことも心強かったです。2020年3月より完全に独立して事業を開始しました。
(※1)公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC)が主催する、新たな価値を創造するような製品・サービスの提供を目指す起業家やスタートアップを発掘するため、横浜での起業や新規事業展開に挑戦するビジネスプランを全国から募集し審査するビジネスプランコンテスト。
――2020年3月の独立はコロナ禍で大変ではなかったですか?
正直大変ではありました。ですが、その中でも行政のサポートとして各種セミナーや補助金があったのは大きかったですね。多くの人とつながりが出来たことは励みになりましたし、異業種の方と一緒に仕事をしたり、実証実験をしたり出来たのは本当に助かりました。
“繋がり”が原動力
――横浜のイノベーターの特徴ってありますか?
社会課題を解決したい、自分が感じる課題を解決したいという想いから出発して、結果的に企業活動としてサービスを始める方が多い印象ですね。また優しい方が多く、皆さん仲が良く、繋がりが強いです。イベントなどで自分が知っているイノベーターの名前を挙げたら、誰か1人は知っている人がいますね。
――どういったところでイノベーターの方とは出会うのでしょうか?
本当に色々な場所で出会うんですけれど、一番多かったのはYOXOイノベーションスクール(※2)だと思います。私は二期生として参加しただけではなく、三期生、四期生のお手伝いをさせて頂いていたこともあり、数百人の方と交流しています。YOXOイノベーションスクールに参加される方は学生からシニアの方まで様々ですし、バックグラウンドも起業を志す人だけではなく、企業で新規事業創出に関わる方など、本当に幅広いです。
(※2)横浜市が実施するICT/IoTなどの新技術や革新的なアイデアを通じて、子育てやモビリティをはじめとする様々な社会課題を解決するビジネスにチャレンジする起業家・スタートアップを輩出するための、実践的なスクール。
都会でありつつ、良い意味での田舎っぽさ
――ずばり横浜の魅力って何でしょうか?
一言で言うと”生きやすい!”。
生活の面では街として発展していて、不便なことはなく生活しやすい。産業の面では、大企業が集積しているみなとみらいや、スタートアップ企業が集まる関内があり、企業間で連携できる機会が数多くある。人という観点でも、困ったら誰かが助けてくれる“繋がり”がある、友達の友達は友達のような世界観も魅力ですね。
――今起業を準備している⼈、これから起業する⼈に向けて横浜で起業する魅⼒、メッセージをお願いします。
起業する人は「これは絶対に売れる」というプロダクトやサービスを持って起業すると思います。だけど、100人にそれが売れると思うか、起業する前にまず1度立ち止まって聞いてみた方が良いです。本当にユーザに受け入れられるか、今が提供すべきタイミングかといった声を聴いて、多くの人からダメと言われるようであれば、起業することを急ぐ必要はないと思っています。そういった意味で、多くの人に意見を聞ける横浜という環境は、起業に適した場所ですね。
FAVORITE SPOT
「横浜橋通商店街」
商店街が好きでよく行きます。特に横浜橋通商店街は様々な国籍の方が利用されていて、日本ではあまり食さない魚を売っている魚屋など、買い物だけではなく、歩いているだけでも楽しめる場所だと思います。キムチが美味しくておススメです。
「炭火焼ホルモン・ジンギスカン たたら」
横浜で生ラムを食べることが出来る、数少ないジンギスカンのお店の1つです。自分だけでなく、ジンギスカンの本場である北海道生まれの知人が美味しいと言っているので、味はお墨付きです!
脇坂 健一郎
1981年生まれ、神奈川県横浜市南区出身。⼤学卒業後、大手印刷会社に入社し、その後スタートアップ企業での経験を経て、株式会社エフィシエントを創業。世の中の困りごとを「効率的」に解決することをミッションに、多方面に渡り事業を展開している。