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横浜市イノベーション人材交流事業 副業・兼業人材活用事例②アットドウス株式会社

横浜市イノベーション人材交流事業 副業・兼業人材活用事例②アットドウス株式会社

横浜市と横浜未来機構は、市内のスタートアップや中小企業が、副業・兼業人材を活用して経営課題を解決することを支援しています。経営課題解決のために市内企業が、さまざまな情報・スキル・経験等を持った副業・兼業人材を活用した事例を紹介します。

アットドウス株式会社

採用された人材
・エンジニア兼プロダクトマネージャー 2名
・マーケティングスペシャリスト 2名

アットドウスはモバイル型投薬・点滴デバイス「atDose」を開発しているスタートアップで、このデバイスを用いて、従来行われてきた癌などの重篤な病気の治療方法を根本から変える投薬のプラットホームづくりを目指されています。

今回、本業とは別に、自社も含めた「新たな医療機器・治療方法の啓蒙環境を整える」というテーマで副業人材を活用されています。

アットドウス株式会社

代表取締役 中村 秀剛様

-御社が抱えられていた課題と本事業活用に至った経緯を教えてください

メディカル系のスタートアップが、資金や人材を調達することがなかなか日本では難しいという状況を打開するために、トークンを介在させた支援コミュニティを形成するというアイデアを持っていました。これを実現させる上で、自分も含めた自社の人員ではなく、新たなプロジェクトを立ち上げたいという思いで人材を募集しました。
あまり期待はせずに、面白がってくれる人が現れればそれで充分だから、まずはやってみようということで募集を開始しました。

-選考過程で戸惑われたこと、工夫されたことを教えてください

書類選考とオンラインでの面談1回のみで選考を行いました。報酬をお金ではなくトークンとしたことで、自然とWEB3やDAO*について1から説明しなくてもよい方々に応募いただけましたので、その後のコミュニケーションもスムーズにできました。

*DAO(Decentralized Autonomous Organization)はメンバーが主体的に共同所有・管理する組織を意味します。

-採用されたのはどのようなプロフィールの方でしょうか

4名採用しました。それぞれ既にDAOを運営されていたり、トークンをビジネスに取り入れたりされていて、動機としては今の本業の職場ではなかなか思ったことを実行できないので、やれる場を求めていたという方や、DAOに興味があって勉強しながら参加したいという方です。職種はマーケティング系とテクノロジー系が半々で、面接しながら役割を決めていきました。テクノロジー系は集まりにくかったのですが、たまたまピッタリの方が来てくれました。

-採用されてまだ2~3ヶ月というところですが、現時点での状況をお聞かせください

デジタルチャットで日々、コミュニケーションしながら、月に2回、Web会議で打合せを行い、コミュニティの立ち上げに向けて動いています。デジタルチャットでは毎日の挨拶やちょっとした雑談を通して、お互いに信頼関係を構築しながらやり取りをしています。

当初はアットドウス単体を支援するコミュニティを構築する予定でしたが、途中からスコープを拡大し、今は医療業界の変革を支援するコミュニティを目指しています。

SkillShift経由とは別のルートでもコミュニティに入ってもらい、今は合計8名でDAO立ち上げのプロジェクトを運営しています。SkillShift経由のビジネス経験者と学生や海外駐在者が加わることによって新しい価値観が持ち込まれ、お互いに面白がりながらプロジェクトが動いて行っています。
プロジェクトに貢献してもらうことはもちろんですが、加わっていただいている方々にとっても価値のある働き方になることを意識して運営しています。

今はそれぞれのタスクの整理が終わり、4月にはクローズドベータ版のコミュニティを立ち上げる予定になっています。

-採用された方々と今後どのようなことに取り組んでいかれる予定でしょうか

プロジェクト参加者全員でロードマップを作っています。当初はアットドウス自体の支援コミュニティからスタートしますが、次のフェーズでは他社も含めた「新たな医療機器・治療方法」に取り組む活動を支援するDAOに進化させ、最終的には他のDAOとも連携し合うというところまでを目指しています。効率重視ではなく参加者相互の考えを尊重してプロジェクトを進めているため、通常の会社組織の運営と比較すると意思決定プロセスに時間がかかりますが、自分たちはその潮流の中心にいて動いているという自負を持って活動しています。

DAOのコンセプトが、アットドウス単体のためのものではなく医療業界全体を対象としたものに変化したこともあり、最近は私はあまり口を出さずにプロジェクトにイニシアティブをとってもらうスタイルにしています。

-ここまでのご経験を通しての気付きや、副業人材活用に関するお考えをお聞かせください

ChatGTP等のAIツールが盛り上がるにつれ、働く人の価値観としては、より人間らしい仕事とは?とか、自分にしかできないことは何か?といった命題を考えるようになっていくと思います。
副業は、今会社にいる人が自分の会社での存在価値や、会社以外での存在価値を考える上で必然的な取り組みだと思うので、企業も人材側も躊躇しているよりどんどん活用すべきだと思います。
そしてその動きの中で、私たちが取り組んでいるDAOのような組織が増えていくと思います。そのような活動においては、プロジェクトの価値観や、参加者のマインドがとても重要になってきていると思います。

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